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日本建築・日本の街を考えていきます。(岩井慎悟)


by 100nenya
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新しい工具の誕生が建築を変える

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鎌倉時代から南北朝時代にかけては、住まいづくりに使われていた工具もあまり変わりなく、鋸(のこぎり…木目に直角に挽く横挽き)、のみ、やりがんな、手斧(ちょうな)、斧など基本的な違いはほとんど見られません。
しかし、それが、15世紀から16世紀によって、設計や工事の技術に飛躍的な発展が可能となりました。
まず15世紀の中ごろに、大鋸(おおが)と呼ばれる縦挽き鋸が現れて、木材の加工、とりわけそれまで貴重品とされていた板材の加工が容易となりました。
板材はそれまで、丸太にのみを打ち込んで割り裂き手斧ややりがんなで削って仕上げていたものが、この大鋸の出現により、天井や壁などに板を豊富に使えるようになりました。
そして、今でも目にする台鉋(カンナ)が出現し、この後、繊細な木割術によって設計された上流階級の住まいの建築には特に不可欠なものとなりました。

今でも新しい工法や技術によって、どんどんと建築の可能性は広がっています。
新しい技術による大空間や全面ガラス張りのような高層ビルなどなど・・・
しかし、その現代の発展は産業的・工業的発展で、急速な技術の発展は人間に謙虚さを忘れさせてしまうものになってしまいます。
技術ももちろん大切ですが、やはり、私たちには技術よりも何が自分に必要なのかを考えたほうが、精神的な開放感は感じられるのかもしれませんね。
新しい工具の誕生が建築を変える_c0061400_1512553.jpg

by 100nenya | 2005-03-30 15:13