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日本建築・日本の街を考えていきます。(岩井慎悟)


by 100nenya
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広間は百姓のシンボル

それまで農民の住まいは、名主階層でさえ10~20坪、一般の百姓で数坪から10坪程度しかなかった。それが、江戸時代初期の17世紀になると、明らかに規模が大きくなり技術的にも飛躍しています。
これは、本百姓の生活が安定したことと、15世紀以降、地方における大工技術の急速な進歩とその普及が背景にあったと考えられます。
実際にどういう形だったかというと日本昔話などに出てくるような感じで、「だいどころ」と呼ばれる土間空間に面してひろまと呼ばれる炉が切られた板間の今で言うリビングのような空間があり、そのひろまの奥に座敷と寝室(納戸)などの畳の間がある住まいです。
広間型と言われるこの間取り、自立した本百姓のシンボルであるかのようにこの時代から、全国に普及しました。
この農民の住まいの特徴として、一家の主はひろまのよこざと呼ばれる威厳ある座に座り、座り流しを背にしてかかざと呼ばれる座に座る主婦は家計をあずかる重要な役割を示していたとされるようです。
ソファーで寝転がるのも気持ちがいいですが、本当の意味で今の自分に自分の座がありますか?
by 100nenya | 2005-02-20 00:39 | 日本の家を考える