日本建築・日本の街を考えていきます。(岩井慎悟)


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さまざまな日本の屋根

我が国日本でいろんな材料の屋根が使われ始めたのは、近世(江戸時代)あたりからです。
屋根材料が豊富になると、各地方・地域で特徴をもった葺き方、仕上げ方や屋根構造が見られるようになっていきます。
屋根材料には、茅(カヤ)、麦藁、稲藁、檜皮(ヒワダ)、杉皮、杮(コケラ)、栩(トチ)、本瓦、桟瓦、銅板、石などがあり、それぞれ屋根勾配、下地、小屋組みなどが違っています。

茅葺・・・主に葭(ヨシ)や芒(ススキ)などの草で葺かれた草葺き屋根の総称で、茅葺には、茅だけで葺く場合と、麦藁などを混ぜて葺く場合があります。屋根勾配はたいへん急にしなければいけなく、最低45度以上で、積雪の多い地域では、それ以上にしなければいけません。たいていは、真葺き(マブキ)と呼ばれる方法で茅の根元を下にして葺きますが、耐久力の良さを優先して穂先を下にした逆葺きにする地方もあります。
近年では、防火に対する弱点や茅場と呼ばれる茅の採取所の減少、維持管理に労力とコストがかかるなどの要因で草で屋根を葺くことは少なくなってきています。
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板葺・・・木の板材で葺かれた屋根の総称で、薄い杉や檜、クリなどの板を重ねて葺き、木や石などで押さえたものを杮葺(コケラブキ)、それより厚く長い板の場合は栩葺(トチブキ)と言います。
耐久性は低く10年程度で葺き替えが必要です。
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瓦葺・・・江戸時代中期以後の江戸では、桟瓦が発明されて防災、防火のために普及しました。屋根勾配は、茅葺や板葺に比べ緩いため、小屋組みは和小屋とし、瓦の下の葺土も重いので野地板も厚いものが使われます。武家住宅では瓦葺がふつうであり、京都や西の民家でも瓦葺は多くあり日本の屋根の代表的な形とも言えます。しかし、最近ではコストや建物の耐震性などの面からより軽く安価な屋根材料に押され新築の家での普及はどんどん少なくなっていってしまっています。

杉皮葺・・・江戸時代、杉の植林をするようになると、山地では茅葺とともに杉皮葺が多くなりました。杉材を切り出してその皮を利用するので安価ではありましたが、神社や貴族の住宅などの上等の屋根は檜皮葺としていました。
戦後は乱伐のため寿命の長い杉皮が採れなくなり、金属板葺きにとって代わられていきました。
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by 100nenya | 2005-06-01 21:12 | 日本の家を考える