木材の性質3・『木表・木裏』
2005年 05月 11日
板目材の材面において、立木のときに樹心側に近かった面を『木裏』、樹皮側を『木表』と言います。
木材は乾燥していくと、木表側(樹皮側)に反る特徴があります。
また、製材前の原木に在した内部応力のために製材段階で起きる挽き曲がりなどの変形を『狂い[クルイ]』と呼び、その変形の状態によって『曲がり』・『反り』・『捩れ』に区分されます。
建築物にそのような『狂い』を生じる木材を使用する場合、当然ですが、木の特徴を考慮した使い方を考えなければいけません。
例えば、敷居、鴨居などの内法材では、内法側に反ることを考慮(建具の建付け上有利なため)して表側を木表となるように木材を使用します。
また一般に木裏(樹心側)は木表(樹皮側)よりも木目が悪いといわれ、節も樹心に近い部分に出やすいという特徴があり、雨にさらされる下見板や雨戸などに使う場合は、その表側には木裏を使ったり、木裏は逆目(サカメ)が立ちやすいため、手足の触れる部分にはあまり用いられたりしません。
木表は節が少なく木目も美しく、削った表面には光沢があり、逆目も立ちにくいので、縁甲板、地板、テーブルの天板などでも木表を表側にして用いるのが普通です。
同じ一本の木からとった材料でもそのように表裏があったりするので、木材の特徴を生かした使い方が重要となってきます。
また、鉋削り(かんなけずり)では、木表は木材の末から元に向かって削り、木裏は逆に元から末に向かって削ると逆目が立たないなど木材の扱い方も木の特徴を知っていなければ、その良さを生かすことができません。
木も人も、長所、短所いろんな特徴をうまく生かすことっていうのは大事なことですね。
by 100nenya
| 2005-05-11 01:50
| 木材の性質