海鼠壁(なまこかべ)
2005年 04月 14日
蔵造りと言えば海鼠壁(なまこかべ)がつきものです。
蔵は耐火を一つの目的として造られています。
土壁は耐火的に優れていますが、風雨にさらされることによって崩落する危険性があります。
そこで、この海鼠壁という工法が昔から使われています。
海鼠壁という名の由来は、平瓦相互の間にできる目地に漆喰(シックイ)を盛り上げて塗る筋塗りのその断面が、海鼠に似ているからと言われています。
(私の感覚では、それが海鼠に似てるかどうかは微妙ですが、海鼠と言う言葉が、かまぼこ形を意味するのは確かなようです。)
海鼠壁と言ってもその形状はさまざまで、目地が斜めになっている四半張りや、それに変化を加えた四半変形、特殊な瓦を使った青梅波、また亀甲や馬乗り変形といろいろです。
その海鼠壁で地方色が出ていたりもするので、そういった壁だけを取り上げて見るのもおもしろいです。
さて京都の伏見の酒倉には、この海鼠壁がまったくありません。
伏見の酒倉は、土壁の上に縦板を高く張り上げ、海鼠壁と同様に土壁を風雨にさらされて崩落するのを防いでいます。
伏見の酒倉は耐火を目的にした蔵ではないのでそれで十分だったようです。
by 100nenya
| 2005-04-14 03:29
| 日本の家を考える